ウェブ担当者レベルアッププログラム
どうして企業サイトは成果が出ないのでしょう?
多くの企業サイトで成果が出ない理由を紐解き、それを解決する方法を探りましょう。
ウェブにはどんな価値があるのでしょう
企業サイトには、次の2つの価値があります。
- 閲覧価値
- 売上価値
閲覧価値とは、どれだけ情報を発信できたか、多くの人に覚えられたか、という価値です。会社のブランディングや商品認知を広めるために不可欠な考え方です。ホームページは見られるだけで価値があるのです。ウェブ担当者は前年同月や前四半期に比べてどれだけ閲覧を伸ばすことができたかをしっかり測ることができなければなりません。
売上価値は、「お問い合わせ」のように売上を左右する目標から生まれる価値です。お問い合わせが10件あれば、1件の成約が得られるとしましょう。1成約あたりの標準金額が100万円だとすると、1件お問い合わせを得ることは10万円の売上価値があることになります。
閲覧価値が30万円で、お問い合わせが月5件とすれば売上価値が50万円。合計80万円の価値が御社のウェブにあることになります。これが次の四半期に閲覧価値35万円、売上価値が55万円になれば、合計90万円で、前四半期に比べて価値が112.5%に伸びたことになります。
SEOのセミナーに通っても、
根本の価値観がなければ生かせません
ウェブマーケティング、という言葉があって、担当者さんはみなそのノウハウを一生懸命学んでいます。SEO、コンテンツマーケティング、リスティング広告、SNS、動画…。覚えることはどんどん増えていきます。
これらは「ノウハウ」なので、時間とともに変化します。企業人ウェブ担当者ががんばってセミナーに通っても、すぐに変わってしまい、いざ実践しようとすると、専門家から「今はもう違うんですよ」と言われます。追いつくことはできません。全分野の専門家に対抗できるノウハウを身につけることは不可能です。そんな応用編の知識を仕入れようとしないでください。
では、ウェブ担当者はウェブについて自分で考えることはできないのでしょうか。そんなことはありません。いわゆるウェブマーケティングのさまざまな手法を覚える前に、ずっと大切な根本の考え方を身につける必要があります。それは何でしょう?
各製品にとって、「あったらうれしい出来事」は何ですか?
たとえば製品Aの担当部門は、ホームページからお問い合わせがあったらうれしい、と考えるかもしれません。一方、製品Bの方はお問い合わせよりカタログダウンロードでメールアドレスを集めらたい。製品Cは、新規顧客よりも既存顧客から次の注文がある方がうれしいかもしれませんね。発生すべき「あったらうれしい出来事」は製品によってまちまちです。製品だけでなく、採用情報でも、新卒者や既卒者など、さまざまな人からの連絡がほしいでしょう。
「売上価値」というのは、実際にはさまざまです。それなのに大半のホームページには「お問い合わせ」という目標しかありません。ここにすでにミスマッチがあります。このミスマッチを抱えたままでは、ウェブは十分な成果をあげることはできません。
成果のもととなるのは、訪問者の顔ぶれです。既存顧客なのか、新規顧客なのか。どの業界の人なのか。同じ商品でも、何種類もの顧客像があります。集客が大切だと言っても、顧客像に合致しない人がどれだけ訪れても、成果は発生しません。新卒を採用するぞと思っているのに転職希望者ばかり集まっても困るかもしれませんね。成果のもととなるのはターゲットです。
これがウェブが成果を出すための根本です。対象者は1種類ではなく、担当部署ごとにさまざまです。同じ担当部署でも複数の対象者があるのが普通です。その対象者が世の中に何人いて、何に興味を持っているのか。ホームページに何人来てくれればうれしいのか。
これを知っているのは御社自身です。ウェブマーケティングの専門家という人はたくさんいますが、御社の「ターゲット」「コンテンツ」「ゴール」を知っている人は1人もいません。だから、御社側でこの根本を考えなければ、どんな専門家を連れてきても成果を出す方法を編み出すことはできない、というのが現実です。
価値の根本を自ら整理することが
自律的なウェブ運営への近道
近道、というより、唯一の道だと言った方が良いでしょう。SEOの専門家を連れてきたら、「どのキーワードで対策をしますか? 3つまでキーワードを決めてください」と言われるかもしれませんね。でも、ターゲットの幅が広いのに3つのキーワードでカバーはできません。そもそもターゲットが決まっていないのに、集客方法を考えても空振りするのは明らかです。
ある通販会社では、独身OLと言われる女性客が中心でしたが、結婚すると利用をやめてしまうことが多く、困っていました。そのためにこの会社は何をしたでしょう? 質の良い絵本をつくって、子育て期に入った「元利用者」と再会するために、産院や保育園に配りに行ったのです。御社は狙ったターゲットに出会うために何をしていますか? その中でウェブができることは何でしょうか。
まとめ:ウェブが成果が出ない本当の理由とは
ターゲット、コンテンツ、そしてゴール。これらは全部つながったものです。それを知っているはずなのは御社だけです。でもその狙いが社内に分散して、ウェブ担当者の手元にまとまっていないとしたら、ウェブで成果が出ないのはごく当然のことだと言えるでしょう。
担当者レベルアッププログラム「クラスルーム」はこうした根本の情報を整理し、「何のために」「何をすれば良いか」をウェブ担当者がご自身で決めることができるようにサポートするものです。