ウェブページの原稿パーツを分類しましょう

ウェブの文章は、よほどエンターテイメント系でなければいわゆる「上手な文章」である必要はありません。ウェブページを読む人にとっては事実や知識が必要なのであって、文章の起承転結を味わいたいと思っているのではないのです。

しかし、端的な文章を書きましょう、と言うだけではどのように書いたらいいのか分からないですね。また、SEO的なことを考えてページを増やすのであれば、どう効率よくキーワードを含めた文章にするか、ということがとても気になるところです。

今回は、ウェブページにはどんな文章パーツがあって、どういう位置づけで書き進めれば良いのか、整理していくことにしましょう。

 

●ウェブページの文章パーツ

ウェブページの文章は、次のような大きな位置づけで成り立っています。

1)サイト訪問前に検索で見つけてもらうための文章
2)サイト訪問時にそのページの内容を読んでもらうための文章
3)ページを読んだあとで、次のページに移動してもらうためのリンク文

順番に見ていきましょう。

(1)サイト訪問前に検索で見つけてもらうための文章

今のホームページは、特にSEO対策をしていなくても60%程度の訪問は自然検索から発生します。

これは興味深いことに月に数百人くらいしか訪れない小さなサイトであっても60%程度は自然検索なのです。ただ、ではどんな検索から集客しているか、と言えば、訪問の少ないサイトでは会社名キーワードで検索した人ばかりということになります。この人たちは社員や取引先など、「絶対にお問い合わせをしないタイプの訪問者」です。

お問い合わせをしやすい人を集めるためには、これまで知らなかったが解決したい課題があって、検索をして、見つけたサイトで課題を解決できる、と感じさせることが欠かせません。ということは、重要なキーワードは会社名ではなく、その人の課題となる分野の言葉となります。相手はこちらの会社名など知らない可能性が高いです。

そうしたキーワードを含むパーツとしては、

●目に見えないパーツ
 ・ページタイトル
 ・デスクリプション

●目に見えるパーツ
 ・パンくずナビゲーション
 ・見出し
 ・リード文

があります。まずはこれらから見ていきましょう。

 

●目に見えない重要なパーツたち

A)ページタイトル

ページタイトルとは、ブラウザでホームページを見るとき、ブラウザのタブに小さく表示される文章で、まさにそのページがどんな内容を持っているか見出しにしたものです。

書式としては

 <head>
  <title>ここがページタイトル</title>
 </head>

となります。まさにタイトル、というタグで記述されており、ブラウザはページのデータを読み込んで、この部分をタブに表示するのです。

自社のサイトでどのページにどんなタイトルが書かれているかを確認するためには、ページをブラウザで表示した状態で、画面上で右クリックし「ページのソースを表示」を選びます。すると新しいタブが開いてページのHTMLソースが表示されるので、その中から検索(Ctrl+F)で「<title>」という部分を見つけてください。<title>と</title>というタグの間にはさまれているテキストがページタイトルです。ここに書かれている文章は、そのページに何が書かれているのかを示すという意味でとても大切です。

このタグはほとんど必ず<head>から</head>までの間(ヘッダ部と言います)に書かれています。ヘッダ部は一般の読者には見えない部分で、ブラウザに対して重要な情報を伝えるために存在します。そのため、先ほどのリストでは「目に見えないパーツ」としていました。

検索エンジンは検索結果にページを紹介する際、ページタイトルを検索結果の見出しとして利用しています。検索結果に表示された際に、検索者が検索結果の中からどの結果を選んでクリックするかが重要なのですが、ページタイトルが検索者にとって魅力的であることは大変重要です。

<title>製品情報|〇〇株式会社</title>

というのは、よくあるタイトルの書き方ですが、検索者にとって魅力的とは言えませんね。同じ製品情報のトップページであっても、

<title>金属加工の先端技術でメーカーの課題を解決|〇〇株式会社</title>

といった書き方の方が「金属加工 技術」といったキーワードで検索している場合に検索結果に表示されやすく、また表示された際に検索者にとって少し魅力的です。

この例のように、会社名など多くのページに同じ内容が入る部分がある場合は、タイトルの最後にまわし、そのページならではの内容を先頭に書くようにします。

B)デスクリプション

ディスクリプションじゃないのか、と言うかたもありますが、スペルが「discription」ではなく「description」なので、デスクリプションと表記しています。
これもヘッダ部に記載するので、目に見えないパーツです。書式は、

 <head>
  <meta name=”description” content=”ここがデスクリプション” />
 </head>

となります。< >の中ですから、ブラウザ上では絶対に表示されない部分となります。が、これも検索エンジンでは、検索結果を表示する際に本文として使われることがある文章なので、検索者が魅力的に感じるように書くべきです。

ページタイトルもデスクリプションも、実際にGoogleで検索して、何文字くらいが表示されるのかを確認しておきましょう。

今、「アクセス解析」というキーワードで検索してみると、フェレットさんが出てきましたので引用させていただきましょう。

アクセス解析とは|ferret
https://ferret-plus.com ? … ? アクセス解析基礎

2018/12/03 ? この記事では、「そもそもアクセス解析とは何なのか」「正しくアクセス解析を行うためにどんなステップが必要なのか」を解説します。アクセス解析は、Webマーケティングの担当者が必ず基本を理解しておくべきと言って …

となっていました。デスクリプションが長いので後半が省略されてしまっていますが、内容が理解できれば良いので大きな問題ではありません。この部分をページのソースで見ると、

<title>アクセス解析とは|ferret</title>
<meta name=”description” content=”この記事では、「そもそもアクセス解析とは何なのか」「正しくアクセス解析を行うためにどんなステップが必要なのか」を解説します。アクセス解析は、Webマーケティングの担当者が必ず基本を理解しておくべきと言っても過言ではありません。まずは必要性と手順を理解しましょう。”>

となっています。タイトルはそのまま検索結果に使われていますね。皆さんがデスクリプションを書く際には、もう少し短くても良いのだな、と考えてください。

この例のように、Googleは勝手に省略してしまうので、デスクリプションの文末が非常に魅力的である場合、ぜったい省略されないくらいの長さで書く必要があります。ここでは「必要性と手順を理解しましょう」という魅力的な言葉が省略されてしまっているのでちょっと損しているかもしれませんね。

ページタイトルやデスクリプションは、どちらも「そのページならではの内容を表記する」ためのものです。たまに面倒くさいためか、全ページ同じタイトルや同じデスクリプションを書いてしまっているサイトがありますが、これは間違いです。検索エンジンはこうしたルール違反は「検索エンジンをだますために悪い書き方をしている」と考えますから、注意してください。ページの内容が違うのですから、タイトルやデスクリプションは全ページ違う記載になるはずです。

 

●メタキーワードをめぐって

このデスクリプションは<meta>というタグに入っています。これはメタタグと言われるものです。メタタグにはさまざまな種類がありますが、デスクリプションの他に重要なものとして

<meta name=”keywords” content=”キーワード1,キーワード2″ />

というメタキーワードというものがあります。多くのサイトでページ内容と関係のない重要キーワードをここに入れてしまうものですから、Googleは検索順位の決定にメタキーワードを使わなくなってしまいました。

そこで、今回の文章パーツとしては最初に紹介しませんでしたが、重要なタグであることには違いはありません。「Googleが使わなくなったからメタキーワードはやめました」と平気で言う人がありますが、それは本質を踏み外した判断です。

第一に「メタキーワードを使っている検索等のサービスはこの世にまだまだたくさんある」、ということがありますが、もっと重要なのは「メタキーワードにそのページに関する内容を入れておけば、自分にとって便利だ」ということです。
メタキーワードの中に、そのページに出てくる商品の品番を書き込んでおきましょう。そうすれば、メタキーワードを検索するだけで、どのページにどの商品が登場しているかが分かります。その商品が廃番になった場合には、すぐ検索して見つけ出すことができます。商品の写真がイメージ写真にちょこっと使われている、という場合にも、メタキーワード部分であれば、品番を書いておくことができます。

社員の写真があるページにはそのかたの名前を書いておけば、「退職したのでこの人の写真は差し替えたい」という場合に、すぐ見つけ出すことができます。

私たちはGoogleのためにページをつくっているのではありません。ページの中のパーツの意味はしっかりと考えておきたいものですね。

長くなってしまいましたので回を改めましょう。次回は、

●目に見えるパーツ
 ・パンくずナビゲーション
 ・見出し
 ・リード文

について書いていきます。