株式会社サップス 社長インタビュー

株式会社サップス

代表取締役社長中瀨 敏和

ウェルネス事業

マスではなく、『ワントゥーワン』の情報発信が必要だ

株式会社サップス(兵庫県西宮市)は、関西で14店のスポーツジム・フィットネスクラブを運営している。ウェルネス指導者の育成やプログラム開発、マシンの中古販売やウェルネス施設のプロデュース、オリジナルマシンの開発、指導者出向や運営受託などによって企業の環境経営を支援するコンサルティング事業など幅広い事業を展開している。

それらの事業展開の中で、ウェブやSNSが果たす役割はますます高まっているという。中瀨敏和社長はそうした動きを陣頭で指揮し、その効果を高めている。今回はウェブサイトの成果を高めるための姿勢や体制づくりについてうかがった。

社長自身が検索して方向性を決めたからこそ
どんどん問い合わせが入るサイトが生まれた

中瀨社長(以下、中瀨)「フィットネスマシンの販売サイトで大きな手ごたえを感じました。」

B2Bサイトですね?

中瀨「もともとはウェブではなく、紙媒体や直接的な営業でマシンを販売していたのですが、2008年のリーマンショックでマシンが売れなくなってしまった。どうにかしなければと考えて、ネット検索を延々とやってみたんです。

その結果、「中古マシン」という言葉でまともにヒットするホームページがまったくないことが分かりました。だからさっそく、サイトをつくって販売を行うことにしたんです。「中古マシン」で検索1位を獲りましたよ!

するとネット経由でどんどん問い合わせが来る。面白いように売上が上がったんです。これが私にとっての最初のウェブ成功体験でした。」

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社長自身が検索して方向性を見つける会社はかなり珍しいのではないだろうか。実際に検索をして、実感を持ってポジショニングを定めたからこそその方向に特化したサイトをつくることができたと言えそうだ。

中瀨「ウェブと言うと、多数の人が共感する『マス』の発想での訴求を考えがちですが、特定の方が強く求めている情報を深く提供する、『ワントゥーワン』の訴求に切り替えなければいけない。この考え方はスポーツクラブにも応用できる。少しずつ成果が上がり始めています。

スポーツクラブについてもウェブから毎月一定数の会員様を獲得することができている。しかし、それでは足りないと、広告からのランディングページを大きく変える試みを進めているのです。」

制作を内製化して情報発信を迅速化
入会者の3割以上が「ウェブがきっかけ」と回答

スポーツクラブのウェブはどのように運営しているのですか。

中瀨「スポーツクラブのサイトの目的は、新規の会員様獲得と、既存会員様への情報と予約機能の提供。店舗ごとにサイトをつくって、キャンペーン情報やイベント情報を迅速に提供することを重視しています。

店舗ごとの担当者がブログの更新を毎週行うことから、少ない店舗でも月間3,000人、多い店舗では月間8,000人ほどの訪問が得られています。チラシや看板広告も使っているので純粋にウェブだけの効果とは言えませんが、入会時のアンケートでは入会者の3割以上が入会のきっかけはウェブだと応えています。その比率は年々増加傾向。

制作は専任の担当者を2名配置して社内で対応。制作が外注では情報更新のスピード感が出せません。全ての店舗に関わることは統括マネージャーと広報がディレクションし、制作スタッフに指示を出しています。」

店舗ごとのブログやSNSについては各店舗の専任担当者がひんぱんに更新して情報発信を行っている。このスピード感が成功の決め手となっているようだ。

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中瀨「各店舗に担当者がいて、ウェブからの問い合わせや体験レッスンの申し込みに直接対応しているのですが、件数や状況については毎月のミーティングで本部側でも把握するようにしています。ウェブの数字と現場の状況は強く連動しているので、会議には私自身もできる限り出席し、状況を把握」

今後のウェブ活用は

中瀨「新聞の購読率は年々下がっています。チラシなどの紙媒体の影響力もどんどん下がっているので、SNSなども含めたウェブへのシフトはますます加速していくでしょう。消費者は今や簡単に情報を入手できます。何社も比較してサービスや商品を選ぶことが容易になっていく。欲しい情報を欲しい分だけ、その人にワントゥーワンで配信できるようなウェブを考えていかなければなりません。AIを活用する、人員をしっかりとかけて、情報を整理する必要も出てくる。」

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まさに陣頭指揮で成果を上げてきた中瀨社長だが、「誰でも社長にはなれる」と笑う。

中瀨「登記さえすれば誰だって社長になれるんです。大切なのは肩書ではない。仕事の内容そのものだと思っています。

スポーツクラブで考えると、運動指導をすることが楽しいと思うならインストラクターだし、店舗事業そのものをあれこれ考えたり実行することがしたいなら店舗マネージャーという立場で働けば良いでしょう。もし自分のしたい仕事が社長にならなければできないのであれば、社長を目指せば良いというだけのことです。」

中瀨社長は忙しい中で、かなり仕事を楽しんでおられるように感じられます。

中瀨「楽しいですよ。私自身の話で言うと、仕事でもなんでも知らないことを知っていく過程が面白いんですね。決まったことを淡々と繰り返すのでは飽きがくる。だから知らないことをいつもやるんです。もちろん不安やストレスはある。その一方で刺激や満足感も得られるのです。職場や環境も大切ですが、自分自身がどういう姿勢で仕事に臨んでいるかで楽しさが違ってくるのではないかと考えています。」

株式会社サップス

本社:西宮市甲子園
代表:中瀨 敏和

スイミングやフィットネスウェア用品、マシンの販売から会社をスタート、関西に14店舗のスポーツクラブを運営中。
ホームセンターやリゾート施設など、元の施設の特徴を活かし独創的な空間を演出する一方で、機器やプログラムを他社に先駆けて開発し導入するなど常に進化を続ける。
ここでの運用ノウハウを活かした店舗開発や運用支援では多くの企業を成功に導いており、個室ジムのFCを展開するほか、企業向けの健康経営にも力を入れている。

サップスの会社ホームページ
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